ロンドンの「Empire Awards」に向かう途中の『ロード・オブ・ザ・リング』のスター、イアン・マッケランさんとオーランド・
ブルームさんに何とかお話を聞くことができました。どんな発言が飛び出すやら・・・

Sir Ian：こちらこそ。

Orlando：はじめまして。

Sir Ian：ええ、ある種そういうものでしたね。これは私に与えられた１年間のニュージーランドでの仕事で、それまで一度もニュージーランドに行ったことがなかったものですから、この国に恋をしてしまいましたよ。オーランドみたいにとってもフレンドリーな地元の人たちや、その他世界中から集まった人々と一緒に仕事ができたんですから。それに、いままででいちばんの意欲作に出演したんです、実際、３作分一気にですよ！クリスマスに公開された第１作はとても好評を頂いて、私たちも努力した甲斐がありました。とてもハードな仕事で激しいものでしたが、まあ楽しかったというんでしょうね。

Orlando：えー本当に・・・いいですねぇ。賞主催者側としては、この２つの作品の間で競い合って欲しいんじゃないですか。でも僕は、本当の意味でこれらを比較することはできないと思っています。どんな結果がでるかが楽しみになりそうですね。今この話題にちょっとワクワクしてきましたよ。

Orlando：そうですね。僕にとってこの賞は、数々の授賞式の中で初めてのノミネートで、とても光栄に思っています。

Sir Ian：私は君に受賞してもらいたいと願ってるよ、オーランド。君が受賞する初めての賞は、いつでも一番心地よいものなのさ。きっと君はハリーポッターの子供たちに勝つよ。だって、彼らはこれから何度も賞を受賞する機会があるし、それに君はもう年取ってきてるだろ？

Orlando：どうもありがとう。そうだ忘れてたんだけど僕、２５歳になったんですね！

Sir Ian：ええとですね。これは本当に目を見張るほどのデビューです。そしてかれは指輪の仲間の一員として、間違いなく世界中のファンを獲得しました。私は以前からこのエンパイア・アウォードに参加しているのでこの賞のことは良く知っていますが、他の授賞式と違ってテレビで放送されないこともあって、とても陽気で素晴らしくリラックスしたパーティーなんです。いずれにしても基本的に、賞を主催するのが雑誌社やテレビ局であれ組織であれ、俳優にとっては最新作に興味を持って頂ける絶好の機会ですからね。『ロード・オブ・ザ・リング』について言えば、皆さんがこの映画を観に行ってくださるように働きかけることができたなら、とてもうれしいのですが。この映画は素晴らしい作品だと私は思います。賞はその一部です。

Orlando：この賞はどうやって、ノミネートされるんですか？

Sir Ian：エンパイア・アウォードはこの国ではユニークだと思うよ。実際に一般の人が投票するんだ。

Orlando：そうなんだ。すごい。

Sir Ian：だから、もし君が彼らの支持を得られたなら、それはまさしく関心を持つべきに値するということなんだよ。

Orlando：ええ。それは本当にそうだと思います。僕は３年前に演劇学校を卒業して、すぐこの仕事に入ったんです。そしてこの仕事はおそらく、今までの人生の中で一番、僕の人生を変えることになったエキサイティングな忘れられない経験だと思います。先日、僕のいとこが「これから３年間は何があろうと、その次の年には映画が封切りになるんだからね。」と言っていましたよ。何の心配もなく、何でもできるというわけです。だって、すべての指輪を持っているんですから。

Sir Ian：今となっては、それはちょっとどうかね。『ロード・オブ・ザ・リング』も１ヵ月後には世界一の座を奪われたんだよ。『ブラックホーク・ダウン』という名の新しい映画によって隅に追いやられてしまった。そして誰が出ているかと思えば、オーランド・ブルーム！君じゃないか。まあそれはそうとして、私には『Ｘメン�U』が控えていて、今年の夏から撮影が始まる予定です。

Orlando：待ちきれないですね。

Sir Ian：この３部作に出演できたことは、我々にとってとても素晴らしいことです。先日『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督と話をしたんですが、少しだけ撮り残しのシーンがあるのでまた撮影に戻ることになると思いますよ。きちんと防音設備の施していないスタジオでの撮影もあったので、第１作では、これらの台詞はすべて追加録音しました。分からないでしょうけど、本当なんですよ。だから、これからの２作品も同じ事をすることになるでしょう。まだ仕事は終わってないんです。基本的な撮影は終わってますけどね。

Orlando：僕は、また撮影に戻れるのを楽しみにしてます。（interviewer:ニュージーランドでは、相当タフだったみたいですからね・・・）ええ。本当に大変な仕事でしたよ。サーフィンにスノーボーディング、スカイダイビングもやったし・・・『ロード・オブ・ザ・リング』の撮影と平行してね。

Sir Ian：おもしろいことにこの仕事をしたニューヨークでは、みんな私のことをマグニートと呼ぶかガンダルフと呼ぶかで迷ってるんだよ。誰もイアンと呼ばないのがいいねえ！最近、本当に有名になるとどういうことになるかというのを体験したところなんだよ。私はそうはなりたくないと思ってるんだがね、全くもって畏れ多いし、どこへもいけなくなるし。先日ニューヨークのクラブへ行ったんだけど、そうしたらすぐにセキュリティーガードが付けられたんだよ。夜も半ばになってちょっとトイレに行こうと思ったら、ガードマンが邪魔にならないように人々をどけてね。男子用トイレまでの道ができて、私は列の一番頭に置かれたんだ。今にも誰かがトイレから引きずり出されそうな勢いだったよ。それで私の番が来るとセキュリティーガードがドアの前に立って私を保護していたよ。

Orlando：もっとも、少なくともトラブルには巻き込まれずに済んだわけですね。セキュリティー・・・

Orlando：絶対にオスカー候補ですよ。

Sir Ian：そうかな・・・

Orlando：僕、ロサンゼルスで発行された雑誌を持ってますよ。ガンダルフの大きな写真が表紙になってて、「ガンダルフのイアン・マッケラン」と書いてあるんです。

Sir Ian：オスカーはとても大きな事業です。１つの式典が終わったと思ったらすぐにすぐにキャンペーンが始まり、次の年まで１２ヶ月間続くんですから。私が身を置くハリウッドでは、このこと夢中になってますよ。良い意味でね。なぜなら、この事業は映画製作に携わる人や関係者による投票で成り立っているんですから。しかし基本的にはこの賞もエンパイア・アウォードと同様に、皆さんが良い映画に興味を持って頂くためのビジネスですから、参加させて頂かなくてはなりません。でも、誰一人としてオスカーのために映画を作っている人はいませんよ。映画を作るのが好きだから映画を作っているんです。生きた物を作り上げることが好きだからであったり、良い脚本のもとで特定の人々とともに仕事をしたいからであったり・・・私はこれなんですが。最終的に皆さんがその作品を好きになってくださって、特別な賞を与えてくださるのであれば、それはとっても素晴らしい贈り物なのです。

Sir Ian：はい。とても素敵なことですね。映画が非常にポピュラーで世界中で公開されていれば、こういうことが起こるんですよ。悪くないですよ。オーランドもだと思いますけど、私はウェブサイトを持っているんですが・・・

Orlando：僕のはないです。

Sir Ian：本当？でも持つべきだと思うけどな。１月は１２００万人からのアクセスがあったんだ。１２００万人だよ。驚きだと思わないかい？

Orlando：すごくたくさんの人ですね。それって新記録なんじゃないですか。

Sir Ian：これほどまでに成功した映画はいまだかつて経験がないよ。毎晩５００人の人々が９ヶ月間やってきたナショナルシアターでの舞台なら経験があるがね。でもせいぜいそれくらいで、今回とは比べ物にならないね。興味深い話だよ。

Sir Ian：これからバンクーバーでの撮影に入ります。パトリック・スチュアートとヒュー・ジャックマン、そしてハル・ベリーが一緒に行きますよ。多分ほとんどのキャストもだと思います。監督は再びブライアン・シンガーで、現在は脚本製作段階です。まだ何も見ていないんで、今言えることはそれくらいですね。

Orlando：ええと、僕は信じられないくらい素晴らしいスタートを切ることができたわけで、今は少しばかり仕事を選ぶことができるようになりました。イギリス制作とアメリカ制作の両方から良いお話をいくらか頂いているところで、両国を行き来しながらどちらの作品に出演するかを見極めようと思っています。とってもいい感じです。いつもほっぺたをつねってみるんです。だって信じられないんだもの。

Sir Ian：あと私は君に舞台をお勧めしようと思う。映画で人気をさらってしまう前に、また生の観衆の前に立つ歓びを失ってしまう前にね。

Orlando：絶対に舞台にも出演したいと思っています。是非やりたいです。一緒にやりましょうよ！

Sir Ian：ありがとうございます。

Orlando：ありがとうございます。