（ニコール・キッドマンとジェイ・レノが迎える中、オーランド・ブルームが登場）

Jay Leno：今日は本当に来てくれて嬉しいよ。GQみたいな雑誌の表紙を総なめ。いやーカッコイイね。
イギリスの出身ってのは知ってるんだけど、どこらへん？

Orlando Bloom：カンタベリー。ケント州の。ロンドンのちょっと郊外だよ。

JL：オーケー。そこで育ったわけだね。じゃ、いつこの業界に入ったわけ？っていうか、はじめて何かの役をやったとか舞台に立ったとかいうのはいつなんだい？

OB：そう、えーと、子供の頃から演じることが好きだったから。そういえば、初めて舞台に立ったときはちょっと恥ずかしい思いをしたんだよね。地元の劇場だったんだけど、カンタベリーの住民が全て見に来てることもあって僕にとってはおおごとで。サルをやったんだ。サルの着ぐるみを着て出るうちの一人だったわけ。これがまたサルの着ぐるみが暑くて暑くて。縫い合わせみたいな衣装だったと思うけど、僕はまだ4歳で・・・忘れもしないよ。 あれ以来、また同じミスをするんじゃないかと思って、未だに悩まされてるんだ。
実は舞台の上でお尻を掻いちゃったんだ。もう本当にハンパじゃなく痒くて痒くて・・・お客さんたちにすごい勢いで笑われちゃったんだ。でもさ、僕はサルの役だったんだから、サルが結構よくやることだよね？なのにそのときの僕ったら、もうどうしていいか全然分からなくて、やらなきゃいけないことが頭から飛んじゃってメチャメチャになっちゃったんだよー。だから、うーん。あれは恐怖だね。

JL：サルがやりそうなこと考えてみても、別に悪くないんじゃないの？と僕も言おうと思ったところだよ。
・・・で、俳優を目指して家を出たのはいつの頃？

OB：16歳のころ、ロンドンに出てきたんだ。というか、ロンドンで学位を取ったし、カンタベリーからロンドンに移り住んだのも、僕の親友がロンドンの大学に進学することになって、僕自身、俳優としてやっていくんだったらやっぱり大きな都市がいいんだよな〜って感じだったからね。

JL：で、演劇学校へ行った。
舞台で演じる技術とかそういった・・・訓練みたいなのをしたわけ？

OB：そうだよ！演劇学校だからね。僕はギルドホールに3年通ったんだけど、そこではいろんな種類の・・・入り込むための訓練・・・何ていうか・・・自分を消して、自然な役作りができるようになるための訓練をしたよ。僕たちがやる課題の1つに、動物園へ行って動物を学ぶっているのがあるんだ。動物を見てると・・・役作りをする上では動物の動きとかいろんなものを見つめるってとても役に立つんだよ。僕はサルがやりたかったんだけど・・・っていうか、そのー好きでさ。イカしててね。
（思わずマイクに触れて、ブホッっとなる。）

JL：サルっぽいよ。

OB：ああ。でも、先生がトカゲをやりなさいって言うから、結局できなかったんだけどね。
僕はもっと落ち着いてて、物静かだったから・・・トカゲになったわけ。そしたら何時間もずっと終わりまで同じ格好でじっとしてなきゃならなくて、たまに首だけ動かして舌を出したりとかね。

JL：今もトカゲの舌はある？実際、たぶん役に立つんじゃないかと思うよ・・・。

OB：僕の舌が見たいってこと？
（会場が沸く）
（笑いながら）こんな感じ！（ちょっと舌を出す。会場大喜び。）

JL：いやいや。いいねー。ありがとう。君って本当に・・・。分かったよ。
それで、僕もそうだけど、バイクに乗るし・・・背骨を折ったことがあるの？

OB：ああ、そうだよ。

JL：どんなふうに？

OB：僕の人生が変わったよー。21歳の時だったんだけど、僕の友達がルーフテラスと踊り場付きのアパートに住んでて、そこのドアが風化して歪んでいたんで外側から蹴飛ばして開け閉めされていたんだ。僕は彼らのアパートに入って思ったんだ。“すっげー”って。窓の外を見たらテラスは1.5mくらい左側の下の方にあったんで、これなら飛び移ればいいじゃん！みたいに考えたんだよ。でも結局そうはいかなくて、排水パイプみたいに壁にくっついている雨どいの上に乗っちゃって・・・下へ落ちたんだ。といが錆びて古くて、僕の体重を支えきれなかったんだね。3階分落ちて・・・それで・・・

JL：3階？

OB：そうなんだ。不幸中の幸いだったのは、下の方のテラスに落ちたから、そこは下の階の人のものでしょ。だから洗濯機とかが置いてあって、僕はたまたま洗濯機と柵の間に落ちたんだよ。
そんな感じでしょ。で、その部屋には誰もいなかったから、救助隊の人が僕のところへ来れなくて、ヘリコプターを呼んで消防車に乗った消防隊の人が助けに来てくれたんだ。最悪だな。

JL：背骨を折ったときは、車椅子の可能性もあったんじゃないの？すごく深刻なことだけど。

OB：本当にギリギリいっぱいで救われたよ。はじめのうちはもう歩けないだろうって言われたんだ。はじめの4日間はね・・・全く足に力が入らなかったから。脊髄損傷はしてたけど、切断はしてなかったんでとってもっとても運が良かったんだね。でも、これがきっかけで自分の人生に対する取り組み方が変わったよ。僕って、考えなしに行動してしまうタイプだったから。バイクに乗ってて足の骨を折ったし、もう一方の足も折ったし。スキーしてスノーボードして怪我したみたいに。
全然エルフっぽくないでしょ。レゴラスだったらバイクで事故ったりしないし。でしょ？でもあれは・・・僕にとって良い経験だったと思う。命を失ってしまいかねないことが自分の身の上に起これば、それから明らかに何かしらの得るものがある思うよ。

JL：とっても良い気持ちの持ち方だね。じゃ次は、【王の帰還】について聞かせて。ほんとに壮大な映画だね。見るたびにすごい映像だなって驚かされるよ。たぶん4回は見ることになると思うよ。あれ？このドラゴンは見たことないぞ。今回の作品では何が起こるのかを話してくれないかい？

OB：えっと、これは3部作の最終話で、どんな映画にしても完結編っていちばんワクワクするものだよね。今回の場合は3作目だから、過去の2作品で起こったことに対するドラマチックな結末があったりして。だから、指輪にまつわる話の結末が見られるよ。小説はほんとによく読まれてて内容もよく知られてるから、もし知らなかったらのことだけど。アラゴルンが王になるし、フロドとサムは滅びの山へ行って任務を遂行して、これがきっかけで事がまるく収まるんだ。

JL：で、君はブロンドヘアーに青い目。

OB：そうだよ！

JL：彼は元はブロンドじゃないんだよ〜。
（モニターを指して）これを見よう。何が起こってるのこれ？このシーン。分かるだろ？

OB：これは・・・死者の道への入り口のシーンだと思うよ。アラゴルンが王になる責任を受け入れるところなんだ。彼しか死者たちに助けを求められる人はいない。

（ショートクリップを見る）

JL：なんて恐ろしい仕事なんだ。お願いだから戻ってきて、もう一度会いに来て！

OB：もちろん、喜んで！！