― もし明日死んだとしても、本当に充実した人生だったって思うよ。

『ロード・オブ・ザ・リング』の第二作が公開されるまであと数ヶ月となったが、オーランド・ブルームの人気ぶりは衰えることを知らない。そして、少なからぬ名声を受け入れるようになったものの、彼は少しもうぬぼれたところを見せない。今回、彼は俳優になりたいと思うようになった理由を回想している。そして意外な側面も垣間見せてくれた。

Orlando: レゴラスの動き方など、身体能力について集中したんだ。レゴラスの頭の中にあることを動きで表現しようと思ってね。レゴラスの仕草はエレガントで猫のようにしなやかなのさ。戦闘シーンでは、さっと身を翻して足から着地する猫のイメージをいつも思い浮かべてたよ。レゴラスの動きはたくましく、バレエのように優雅でなくてはならなかったんだけど、とても難しかった。でもできる限り頑張ったよ。レゴラスの本当の強さは、精神的なものと、ある種サムライ的な身体能力の両方にあることを表現したかったのでね。

Orlando: ドワーフのギムリと親友になるよ。レゴラスは最初、彼のことを良く思っていないんだ。なぜかというと、エルフたちは伝統的にドワーフのことを汚くて大地をむさぼり尽くすだけの生き物と考えているんだよ。でも、みんなで一丸となってお互いを支えあわなければならない状況に直面していく過程で、レゴラスとギムリの関係は発展していくんだ。最終的にはお互いの違いを尊重し、自分たちの倒した敵の数を競って笑いあえる仲になるんだよ。

Orlando: 父のハリー・ブルームだね。僕が4歳の時に亡くなったんだけど。彼は南アフリカで起こった反アパルトヘイト運動の中では伝説的な人物で、その所信から投獄されたこともある。不当な人権侵害を終わらせるべくネルソン・マンデラのそばで働いてたんだ。父はその理想のためにすべてを投げ打っていたし、その目標が達成された矢先に亡くなってしまったんだよ。まるで自分の使命が果たされたのを知っていたかのようにね。

― キスシーンがある映画に出演できたら、うれしいんだけどな〜

Orlando: 女の子のためさ！なんて（笑）。もちろん違うよ。正直言ってお金や名声のためにこの仕事をしているんじゃないんだ。キスシーンがある映画に出演できたら、その方がいいけどね！ノーギャラだって働くよ（笑）。自分の好きなことをしてお金が貰えるなんて、まったく今でも信じられないくらいなんだ。でもね、冗談はさておき子供の頃の僕は本当に想像力旺盛で、演劇や映画に出てくるヒーロー的なキャラクターにいつも惹かれてたんだよ。大きくなってそれらのヒーローが俳優が演じている架空のものだと分かって、それなら自分にだってスーパーマンとかインディアンとかギャングになれるんだって気付いたのさ。

Orlando: ポール・ニューマンだね。俳優になりたいと思った一番のきっかけは彼が主演している『ハスラー』なんだ。誠実さとか仕事選びの点ではダニエル・デイ・ルイスとジョニー・デップも好きだよ。

Orlando: そういう系統の注目はちょっと怖いよ。レゴラスのかつらをつけていなければ、ほとんどの人は僕だと気付かないのが幸いだね。でも、僕はめちゃくちゃ幸運だと思うし、今現在の状態をとてもありがたいと思ってるんだ。もし明日死んだとしても、悔いのない人生だったと感じるね。

Orlando: それはない。僕がそんなふうになるのを友人や家族が許してくれないからね。僕の姉さんのサマンサは女優なんだけど、僕が傲慢になりかけたら、正しい方向に連れ戻してくれると思うよ。それに、親友たちなら、僕がうぬぼれだしたと感じたら張り手の一発なり食らわしてくれるだろうね（笑）。

Orlando: 話の筋のしっかりとした誠実な作品が好きだけど、コメディーもやってみたいね。僕の周りの人たちは僕のユーモアのセンスが好きみたいだし、僕が面白い奴だとわかってくれてるようだしね。読者のみんなは驚くかも知れないけど、僕って結構愉快な性格なんだよ。

Orlando: 僕はべジタリアンで、乳製品も口にしないってことかな。

Orlando: 僕はケリー・ギャングの一員のジョー・バーンをやるんだ。ネッド・ケリーはオーストラリアの伝説的に有名な盗賊で、ヒース・レジャーが演じるよ。この映画は19世紀のオーストラリアで、貧しい人たちのために銀行や列車の強盗をしていたギャングたちのことを描いたものなんだ。ギャングのメンバーは犯罪者なんだけど、同時にいい奴らなんだよ。それに僕の役は女たらしだからね。映画の中では何人かの女優とキスすることになると思うよ。なんていい仕事なんだろう！（笑）