【Article】に戻る
© Takako

The Elf Pirate
Starlog Magazine(US) November, 2003
-- by Bill Warren

オーランド・ブルームはこのほどの『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の撮影を終え、たまたま3部作の主要キャラクターを演じる俳優の中で一番初めに撮影終了を迎えた。「僕はギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)と一緒に戦闘シーンを撮ったんだ。本当に悲しくて、とても感動的なシーンだよ。僕が一番初めの撮影終了だったから、ピート(ピーター・ジャクソン監督)が立ち上がって、セットに集まるよう皆に呼びかけてくれたんだ。彼は素晴らしい事を言ってくれたし、僕は本当にラッキーだったよ。」

ブルームがなぜ『パイレーツ・オブ・カリビアン』と『ロード・オブ・ザ・リング』でこれほどまでに違う印象を与えたかと言えば、『ロード〜』ではブロンドの長いウィッグをつけていたが、『パイレーツ〜』では自前の巻き毛をうまく生かしていたからだ。「この前のニュージーランドの追加撮影でウィッグを付けたんだけど、僕、これをもらえたらいいな〜って思ってるんだ。この前のラストシーンの撮影に使ったカチンコはもらったんだ。弓矢ももらえることになってて・・・そう、僕のために短いフィルム映像をつなぎ合わせたのをくれたんだった。ビックリしちゃうくらい嬉しかったよ。」

彼によると、3作目が一番だそうだ。「現実的に考えてさ、3部作の最終話って一番面白いものじゃない?まとめだし、結論が出るんだから。これは途方もなく素晴らしい物語だから、素晴らしい結末が待ってるよね。まあ、僕らは本を読んで知ってるんだけど。ピーターの仕上げたものはまだ見せてもらってないんだ。」

今までの『ロード〜』2作品はアカデミー作品賞にノミネートされたものの、受賞には至っていない。ブルームは3作目こそはと願っているそうだ。「僕は作品賞と監督賞の価値があると思っているんだ!」と熱を込めて語る。「ピーターは受賞に値する監督だよ。だから認められて欲しい。彼が作り出した3部作は・・・すべての効果が継ぎ目なくつながっていて。普通の(SFやファンタジー)とはちょっと違うと思うけど、これだけの偉業と成功を収めたんだから。」

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』の出演がきっかけとなって、ブルームはハリウッドでの輝かしいデビューを飾る1人になった。「今こうして『パイレーツ〜』、『Troy』、『The Calcium Kid』、『Ned Kelly』のような優れた作品に出演することができている。これからの目標は、自分で選択したり、監督にアピールして自分のやりたい作品を作り上げることができるようになることなんだ。」

次回作、ウォルフガング・ペーターゼン監督の大作『Troy』でブルームはパリスを演じる。ブルームに加え、『ロード〜』で共演したショーン・ビーンがオデュッセウスを、ブラッド・ピットがアキレスを、『ハルク』のエリック・バナがヘクトルを演じ、ダイアン・クルーガーがヘレンを、『X2』のブライアン・コックスがアガメムノーンを、ピーター・オトュールがプリアモスを、ブレンダン・グリーソンがメネラーオスを、そしてジュリー・クリスティーがテティスを演じる。

ブルームの役柄は・・・「かっこいいアンチヒーロー的な人物で、いかにもヒーローという感じのウィル(=ターナー、『パイレーツ・オブ・カリビアン』)やレゴラスとはかなり違うね。即答で『Troy』への出演を決めたんだ。この作品に参加できてとってもラッキーだったと思うよ。ブラッドとはあんまり一緒じゃないんだ。最後に僕が彼のかかとを撃つシーンがあるけど、それ以外はほとんど同じフレームに映るシーンがなくて。ブラッドはとってもいい人物だし、才能ある俳優だと思う。尊敬してるよ。彼は本当に仕事に身を捧げてるんだ。」

ちょうど今、ブルームは“ハートスラブ”への仲間入りをしたところだ。ティーン雑誌が彼の写真を呼び物にし、あちこちで熱狂的なウェブサイトが立ち上がっている。そんなこともあって、ティーンアイドル時代を乗り越えてきたジョニー・デップやブラッド・ピットと共演できたことに、彼は特別の喜びを感じているのだ。

「ある意味、(ジョニーやブラッドは)ハートスラブとして評判になったわけだけど、後にそれを覆してきてる。」とブルームは言う。「それはしなきゃいけないことっていうか、通過儀礼みたいなものなんだよね。自分自身を何かに仕立て上げて、それからそれを打ち壊す。レゴラスは僕にとって素晴らしい始まりだったと思うんだ。彼はエルフだからね。全く何者なのか理解できないでしょ。今はとっても忙しくて大変だけど、とっても光栄なことだし、僕は恵まれてると思う。でも、俳優として自分に磨きをかける努力をしたいから、多分、少しのあいだ舞台をやるつもりだよ。」

ブルームは英国のケント州カンタベリーに生まれ、16歳のときに本格的に俳優を目指すためロンドンに移った。「僕が見てきた俳優は、映画、テレビ、舞台、大道芸を問わず、みんな複数の違った人物になれたんだ。」と彼は回想する。「それって大変なことだと思うな。アクションヒーローだって、ジェームス・ディーンだって、とんなキャラクターにだってなれるんだよ。僕は、海賊とブッシュレンジャーと、ボクサーそれにエルフをやったんだね。」

しかし名声と幸運を得るまでの道のりには、ちょっとした障害もあった。背骨を折ったのだ。「僕の友達がルーフテラスを持ってたんだけど、ドアが風雨にさらされて歪んでたんだ。彼らのアパートの1階下にあって、外から蹴飛ばして開けなきゃならなかった。僕は窓から一直線に飛び移ることはできたんだけど、雨どいの上に乗ってしまって、それが外れて落ちたんだよ。」

「動くことができなくて、歩くこともできなかった。足に力が入らなかったんだよ。脊椎骨の1つが砕けてて、あと2,3本にも傷がついてたのさ。取り返しのつかないほどひどくはなかったんだんだけど、脊髄も損傷してたし。とにかくめちゃくちゃで普通のX線は使い物にならなかったから、神経のスキャンをしたんだ。そうしたら何とか手術ができそうだということで・・・でも、手術が成功するかどうかは医師にも分からないという状態だったんだよ。で、手術を受けたら奇跡的な回復をすることができたわけ。事故の12日くらい後には、松葉杖で何とか歩いて退院することができたんだ。医師たちは最低6ヶ月は寝たきりだろうと考えていたらしい。初めは歩き方さえ忘れていて、もう一度覚えなおしたんだよ。」

彼はこの経験から価値のある教訓も学んだ。かつては怖いもの知らずのデアデビルだった彼は、「今は以前よりずっと落ち着いた。馬に乗ったりするようなことは今でも好きだけど、すべての物事に対して地に足をつけて、淡々とした態度で、軽はずみな行動はとらないように心がけている。」そうだ。

「あんな様な経験をしたら人間変わるよ。」とオーランド・ブルームは語る。「僕の体は肉体的に何でもできる状態ではないし、ずっと背中の治療をし続けなければならないんだ。オートバイを買おうかと考えてたんだけど、結局やめることにしたよ。僕は前にオートバイに乗ってて足を骨折したこともあって、同じようなことを二度繰り返す必要はないからね。」




Copyrights(c) 2002/2003 Viva! Orlando Bloom -Private Fansite for Orlando Bloom-
This site is owned by Takako.