実は彼（オーランド）はファラミアの役でオーディションを受けていたんだ。そして我々は彼を起用することを決定していたけれど、まだ本人には伝えていなかったんだ。ちょうどその頃、レゴラス役のために別の俳優たちに会っていて、問題にぶつかっていたんだよ。エルフは人間離れした美しさと優雅さ、気高さを備えていなければならないんだが、これだという人材が見つからなくてね。それじゃオーランドはどうだい？ということになったのさ。彼はすべての条件を満たしていたからね。―Movieline 2003年1月号

とってもいい話があるんだよ。実際には病気だったわけじゃないんだけど、去年僕たちはジェレミー・ポデスワのショート（短編映画。『Deed Poll』のことか）の撮影のちょうど中ごろだったんだ。実に不愉快でね。俳優たちへの配慮のなさから僕たちはみんな気が狂いそうになってたよ。ある晩、僕は家へ帰って座り込んで泣いた。彼女から４日間も連絡がなくって、それにちょうどジェレミーと大ゲンカをした後でね。荒れてたんだよ。そうしたらオーランドが僕のところへ来て僕を抱き締めてくれた。そのまま３０分くらい"Hush, little baby, don't you cry..."と歌いながら、抱いていてくれてね。とっても暖かかったな。その夜はずっと僕のそばにいて、なぐさめてくれたんだ。きっと君の彼女は明日には電話をくれると思うよって彼は言ったけど、本当にそのとおりになったのさ。数日後にジェレミーは別の監督に替えられたよ。